はじめに
「この水を1万円で売ってください」——営業職の面接で出されるこの質問は、一見ユニークですが、実は営業スキルや論理的思考力、価値提案力を評価するための重要な問いかけです。

さき
度々話題になってて、
実際何が聞きたいんだろう?って思います
特に注意したいのは、「商品の中身そのもの(成分や味)」を褒めるだけではNGとされること。大切なのは、“相手にとっての意味づけ”や“価値変換”をどう行うかです。
本記事では、模範解答をもとに、営業の本質に迫りながら、ロジカル・ラテラル・クリティカルという3つの思考法の視点から深掘りし、面接突破のヒントを解説します。
私自身は1万円の水問題には答えていませんが…面接中に意識していたポイントを中心に紹介しますね!

なぜ「1万円の水」の質問が面接で出るのか
この質問の目的は、「高額商品を売るための論理的なストーリー構築力」と「相手のニーズをくみ取る力」を評価することにあります。
つまり、商品自体に価値があるかではなく、“価値をどう見せるか”が重要なのです。高額であるほど、提案には理由と戦略が求められます。
「商品の良さ」だけを語ると失敗する理由
面接でやってしまいがちなNGパターンは、「この水はとてもおいしく、ミネラルも豊富で体に良いです」といった商品の特徴だけを語る説明型トークです。

さき
確かに、水の品質を語りたくなっちゃいますね…
しかし、それだけでは「それならコンビニでいい」と思われてしまいます。高額商品には、高額である理由=顧客にとっての意味ある価値が必要です。
そのためにも、商品のスペックを語るのではなく、「なぜこの水が1万円の価値を持つのか」を相手の文脈で捉える必要があります。
ニーズを引き出すヒアリング力がカギ
面接では、いきなり商品の魅力を語り始めるのではなく、まずは「お客様」のニーズを引き出す質問をすることが重要です。
例えば、
- 普段、どんな水を飲んでいますか?
- 来客用の飲み物に気を使うことはありますか?
こうした質問を通じて、相手の価値観や潜在ニーズを掘り下げます。相手に「自分に必要なものかもしれない」と思わせる下地を作るのです。
これは営業以外でも必要とされるスキルですね。
「課題提起」で共感を引き出す
ヒアリングで得た情報をもとに、「たしかにそれは気をつけるべきだ」と思わせる課題提起を行います。
たとえば、
「大切な取引先を迎える場面で、市販の水では印象が弱いと感じたことはありませんか?」
この一言で、相手の中に“現状への問題意識”を芽生えさせることができます。ここで共感が生まれれば、次の提案が受け入れられやすくなります。

ロジカルシンキングで構成する提案の流れ
ロジカルシンキング(論理的思考)とは、情報や意見を順序立てて整理し、説得力のあるストーリーを構築する力です。

さき
エンジニア職でも、ロジカルシンキングは
必要だとよく言われてますよね
「1万円の水」を売るには、以下のような論理的なステップを踏むことで、納得感を生み出すことができます。
- 相手の状況(現状)をヒアリング
- 潜在的な課題や不安を掘り起こす
- それに対する価値ある提案を行う
- 提案が相手にとってどう役立つかを明確にする
- 最後に価格とリターンを比較してクロージング
この構成で話すことで、「高いけれど納得できる」と思わせる論理的な提案が実現します。
ラテラルシンキングで「水」の枠を超える
ラテラルシンキング(水平思考)は、常識や固定観念にとらわれず、柔軟に物事を捉える発想力です。
「1万円の水」と聞くと多くの人は「水にそんな価値あるの?」と疑問を持ちますが、ここで思考を横に広げてみます。
- これは“水”ではなく“おもてなしの演出”かもしれない
- “信頼”や“ブランドイメージ”を伝える手段かもしれない
- “商談の雰囲気を変えるアイテム”として捉えられるかもしれない
このように、水=飲料という枠を超え、「ビジネス上の演出ツール」や「印象操作の手段」として提案できれば、一気に付加価値が生まれます。
クリティカルシンキングで疑問を先回りする
クリティカルシンキング(批判的思考)とは、あらゆる主張に疑問を持ち、妥当性を検証する視点です。営業でも「なぜそれが必要なのか?」と問われたときに備えることが重要です。
「1万円の水」についても、
- 普通の水との違いは本当に必要か?
- 顧客はそれを高く感じないか?
- この投資は回収できるのか?
といった疑問を事前に想定し、答えを用意しておくことが、提案の説得力を格段に高めます。
たとえば、
「確かに高価ではありますが、その1杯でお客様からの信頼が高まり、結果として受注につながる可能性があるとすれば、これは“営業戦略の一部”と言えるのではないでしょうか」
と伝えることで、価格に対する納得を生み出すことができます。
「価値提案」は物語と希少性がポイント
いよいよ商品の魅力を伝える段階です。ここで重要なのは、スペックの羅列ではなく、物語性や限定性を活かすことです。

さき
限定って付いてると買っちゃう商品ありますよね!
例としては、
- 富士山の標高2,000m地点から採水された希少な天然水
- 王室やVIPも愛飲する高級水ブランドと同等のクオリティ
- 職人が手作業で装飾したジュエリーボトル
これらを“お客様のシーン”にあわせて提案することで、1万円という価格に納得感を持たせることができます。
クロージングは「投資対効果」で説得
「高いから買えない」ではなく、「高いけど価値がある」と思わせるクロージングが大切です。
たとえば、
「この1本がきっかけで先方に好印象を与え、商談がスムーズに進めば、1万円の価値どころか何倍ものリターンが見込めます」
価格を正当化する“投資効果”の視点で語ることで、納得と安心感を与えることができます。
実際の面接で意識すべき3つのポイント
質問力をアピールする
→ 相手のニーズを探る姿勢を見せることが評価につながります。
ストーリーで魅了する
→ 商品説明に「背景・こだわり・希少性」を加えることで印象に残ります。
冷静かつ情熱的にクロージング
→ 価格に対する納得感と、自信ある態度で面接官に好印象を与えましょう。
面接官に響くのは「思考力 × 課題解決力」
営業職の面接で評価されるのは、単に商品を紹介する力ではなく、相手の課題を的確に把握し、それに対して意味ある解決を提示する力です。
それを実現するには、
- ロジカルに構成し
- ラテラルに価値を見出し
- クリティカルに納得性を高める
この3つの思考法を融合することで、ありきたりな回答を超え、面接官の印象に残る提案ができます。

まとめ
1万円の水を売る課題は、「高額なものを売るスキル」を問う試練ではなく、「顧客のニーズに寄り添い、納得感のある提案を組み立てる」練習でもあります。

さき
営業職に限らず、現場では顧客のニーズに寄り添った
提案ができることを求められます
商品の中身をアピールするだけでは足りません。
むしろ、相手の視点で考え、意味を再定義する力が重要です。
ロジカル・ラテラル・クリティカルという3つの思考法を駆使すれば、面接官をうならせる回答を作り上げることができるはずです。
営業職の面接に臨む方は、ぜひこの構成をもとに、あなた自身の言葉で提案ストーリーを組み立ててみてください。成功のカギは、考える力と共感力にあります。
これを元に、皆さん面接頑張ってください!